【 2008年07月24日 14:24 】
日本修斗協会
「第7回関東アマチュア修斗選手権大会」
2008年7月21日(月/祝) 埼玉・新座市民総合体育館第2武道場
取材・文・撮影_亀池聖二朗
一回戦から実力が拮抗し、判定も際どくなる試合が多い大会だった。
そこにはつたないパンチ技術によるノーガードの打ち合いも、パスガードの攻防が無い寝技も存在しない。そんな試合をしていては、厳しいトーナメントを勝ち上がり、全日本選手権、そしてその先にあるプロ昇格まではたどり着けないのだ。
そうした過酷なトーナメントの中で圧倒的な実力を見せつけ、輝く選手もいる。まずライト級で優勝した沼尻健(木口道場)は、元全日本レスリング選手権5位という実績を持ち、さらに打撃も鋭いトータルファイター。一回戦と準決勝は僅差の内容で勝ち上がったが、準決勝では秒殺一本勝利を収め、決勝は打撃ポイント・組み技ポイント共に相手に大差をつけて勝利した。勝ち上がるにつれエンジンがかかってくるその勢いは、さらにトーナメントのレベルが上がる全日本でも大きなアドバンテージとなるだろう。
もう1人の注目株は、ウェルター級に出場した、五味隆典の愛弟子・西岡耕治(久我山ラスカルジム)だ。強烈なパンチとローで相手を崩し、そして速いタックルでテイクダウン。すかさずパスして極める姿は、沼尻に劣らずトータルファイターとしての形は出来上がっている。決勝では柔術黒帯・廣瀬貴行(パラエストラ葛西)と互角の勝負を展開し、惜しくも準優勝となったが、そのレベルの高さから全日本出場枠を獲得した。
かといって、関東選手権の選手がそのまま全日本で優勝できるかといえば、そんなわけでもない。ここ最近は西日本からの優勝者も多く、四国選手権を見ても地方のレベルの高さを窺い知ることができた。地区予選も今月27日の九州選手権を残すのみ。プロ昇格が懸かったサバイバルレースの決着は、9月14日、小田原アリーナで行われる。
(各決勝戦)
▼フライ級決勝戦3分2R
○佐藤友和(和術慧舟會RJW G2)
43-40
●鍋島潤(和術慧舟會RJW)
WKネットワーク同士の決勝は、まず佐藤がパンチでフラッシュダウンを奪い、グラウンドで上を狙う。鍋島はタックルで切り返そうとするが、佐藤もそれをしっかりと切ってトップポイントを獲得する。2Rは積極的に関節技を狙う中、トップポイントの取り合いが繰り広げられ、組み技ポイントで勝った佐藤が勝利した。
▼バンタム級決勝戦3分2R
○石神保貴(和術慧舟會東京本部)
40-37
●金内裕哉(グレイシー・バッハ東京)
共に僅差のポイント差や旗判定で激戦を潜り抜けてきた者同士の決勝戦。1R、軽量級らしいスピード溢れる打ち合いの中、石神がパンチをもらって鼻から出血。それでもドクタ―チェック後、差し合いからテイクダウンに成功し、サイドに移行して組み技ポイント重ねる。2Rに入ると、石神のタックルを切った金内が逆にテイクダウンを奪うも、石神は下から三角絞めに入るなど相手にパスを許さず、判定をものにした。
▼フェザー級決勝戦3分2R
○稲垣顕二郎(KRAZY BEE)
43-43/延長旗判定3-0
●松本義彦(パラエストラ川越)
今年のムンジルでアダルト茶帯プルーマ級を制した松本が一回戦から寝技の強さを発揮し決勝へ。対する稲垣も柔術をベースとし、柔らかい寝技で勝ち上がってきた。そんな2人だけに、勝負はグラウンドへ。1R、まず松本がテイクダウンすると、トップ→ハーフ→サイドとポイントを連取。そのままバックからチョークを狙うが、ここは決まらず稲垣がトップを奪い返す。2Rは稲垣が打撃で押し始め、組んでも上を取る。松本のギロチンもかわし、稲垣は落ち着いて上をキープし続けた。
試合が終了し、ポイントは同点となり延長戦へ。すぐに組み合った両者だったが、テイクダウン勝負で勝った稲垣が終始トップの状態で、旗判定をものにした。
▼ライト級決勝戦3分2R
○沼尻健(木口道場)i
48-34
●高橋了介(roots)
ノーガードでステップを踏みながら、組みつけばすぐ腕でも足でも極めてしまうという、今大会中でも目立っていたスタイルを持つ高橋。レスリングをベースとする沼尻は、中部選手権で優勝しており、全日本出場枠は獲得済みだ。
1R、グラウンドで高橋が積極的に関節技を仕掛けるも、それをことごとく潰していく沼尻。ところが、一瞬の隙をつきヒールホールドを仕掛けると、ガッチリ入ったのか沼尻は回転しながら場外へ! 一本を取られてもおかしくない状態だったが、ここは場外逃避による減点3で終わった。
2Rも足を狙っていく高橋。それでも沼尻は動じず、ポジションをキープし、大量得点を重ねていく。打撃でも上回り、減点をものともせず大きなポイント差をつけて勝利した。
▼ウェルター級決勝戦3分2R
○廣瀬貴行(パラエストラ葛西)
43-43
●西岡耕治(久我山ラスカルジム)
※西岡に反則による減点があったため廣瀬の勝利
中部選手権を制し、すでに全日本出場を決めている廣瀬は、柔術黒帯を有する寝技を生かして、決勝進出。準決勝では、他イベントでプロ経験を持つ太田洋平(和術慧舟會a-3)を下している。対する西岡は、圧倒的なトータルバランスを武器に勝ち上がってきた。
1R、まず西岡が強烈な右ローから片足タックル。これを切った廣瀬はすかさずバックに回りポイントを獲得。スリーパーを狙うが、これを凌いだ西岡も体勢を入れ替えトップへ。ところが、西岡がスリーパーをディフェンスした際、グローブを掴む反則があったとして、減点を受けてしまう。
2R、前に出てくる西岡に対して廣瀬も打撃で応戦するが、スタンドでは西岡が上。ハイを放ちながらタックルでテイクダウンに成功。今度は西岡がバックを奪いかける。さらにスタンドに戻り、首相撲からのヒザ蹴りを狙う廣瀬に対し、西岡はまたもテイクダウン。ハーフから腕を狙っていったところで試合は終了した。
全くの互角といってもいい試合展開の末、ポイントは同点に。しかし西岡に反則による減点があったため、廣瀬の勝利となった。それでも「同等の力が認められる」として、西岡にも全日本出場枠が与えられた。
▼ミドル級決勝戦3分2R
○松本光央(FSFA)
一本 1R1分34秒 ※腕ひしぎ十字固め
●井上雄策(日本ウェルネススポーツ専門学校)
共に緒戦を一本で勝利した者同士の一戦は、やはり関節技を狙い合う展開となった。FSFA(=フィットネスショップ・ファイティングアカデミー)所属の松本は、今年のライトアマSBを制し、プロでも一勝を収めている打撃を封印し、まずはタックルでテイクダウンを奪いにかかるが、逆に投げで倒されてしまう。しかし松本もバックに回りながら腕十字へ。井上は松本を持ち上げリフトポイントを狙うも、結局それだけで下に落としてしまい、松本がキッチリと自腕十字を極めた。
▼クルーザー級決勝戦3分2R
○緒方俊輔(グレイシー・バッハ東京)
一本 1R2分34秒 ※アームロック
●越田棹也(PUREBREDアリーナ)
開始早々からの豪快な打ち合いを制したのは緒方。的確にフックの連打を当て2度のダウンを奪うと、飛びヒザに失敗して下になった越田にすぐさまV1アームロックを極めた。
<大会結果>
▼フライ級/6名参加
優勝 佐藤友和(和術慧舟會RJW R2)
準優勝 鍋島 潤(和術慧舟會RJW)
3位 昼間 樹(PUREBRED大宮)
牧ヶ谷篤(和術慧舟會群馬支部)
▼バンタム級
優勝 石神保貴(和術慧舟會東京本部)
準優勝 金内裕哉(グレイシー・バッハ東京)
3位 渡辺明伸(roots)
斉藤健史(K'z FACTORY厚木)
▼フェザー級/
優勝 稲垣顕二郎(KRAZY BEE)
準優勝 松本義彦(パラエストラ川越)
3位 鷹島大樹(GUTSMAN・修斗道場)
藤井 徹(RBアカデミー)
▼ライト級
優勝 沼尻 健(木口道場)
準優勝 高橋了介(roots)
3位 矢地祐介(KRAZY BEE)
本徳 聖(パラエストラ東京)
▼ウェルター級
優勝 廣瀬貴行(パラエストラ葛西)
準優勝 西岡耕治(久我山ラスカルジム)
3位 太田洋平(和術慧舟會A-3)
笹原トメヤ・フィリオ(和術慧舟會駿河道場)
▼ミドル級
優勝 松本光史(FSFA)
準優勝 井上雄策(日本ウェルネススポーツ専門学校)
3位 峯園雄大(久我山ラスカルジム)
高橋圭典(マッハ道場)
▼クルーザー級
優勝 緒方俊輔(グレイシー・バッハ東京)
