【 2007年12月23日 20:36 】
レスリング天皇杯全日本選手権
主催:日本レスリング協会
日時:12月21、22、23日
会場:代々木第二体育館
クリスマス前の恒例行事、レスリングの全日本選手権が代々木第二体育館で12月21日から23日まで行われました。 来年の北京五輪へ向けて、階級によって少しずつ事情は違いますが「これが最後の大勝負」と挑んだ選手たちのおかげで、好試合が続出しました。
グレコローマン74kg級では、伸び盛りの23歳、鶴巻宰を怪我から復帰した岩崎裕樹がくだし、フリースタイル60kg級では06年世界選手権2位ながら、代表から遠ざかっていた高塚紀行が復活優勝を果たしまた。そして、女子72kg級には元世界王者の正田絢子が、大幅な増量をして挑みました。決勝で浜口京子に退けられましたが、彼女のように、五輪出場へむけて1%でも可能性があれば、その1%にかけるという姿勢が、この大会全体にみなぎっていた心地よい緊張感をつくりだしていたように思います。
おそれを知らない若手選手の活躍も、今大会を盛り上げてくれました。グレコローマン55kg級では、アテネ五輪代表の豊田雅俊を、23歳の長谷川恒平が破り驚かせました。同60kg級では、三大会連続五輪出場が確定している笹本睦が、決勝で21歳の大学生、松本隆太郎に苦しめられました。天皇杯も受賞したにも関わらず「あんな試合をしてしまって……」と反省しきりでした。
フリースタイル74kg級では、決勝にすすんだ高校3年生、高谷惣亮が延長戦までもつれる大接戦を演じ、周囲を驚かせました。ベテランの長島和幸に敗れはしましたが、18歳らしからぬ度胸の良さとあどけなさが残る美少年ふうのルックスで、優勝者よりも大きな注目を浴びることとなりました。
北京五輪の出場資格を獲得している、グレコローマン60kg級、96kg級、女子48kg級、55kg級、63kg級では、今回の優勝者が五輪に出場することが決まりました。その他の階級は、まずは来年3月に韓国の済州島で開催されるアジア選手権で、出場資格の獲得をめざします。しかし、その大会への出場選手の選び方は、これまでの「試合で勝った選手が代表」というわかりやすさと比べると、少し迷いが残る方法になりました。
1月から3月まで、フリースタイルとグレコローマンは、合計4回の合宿を行います。その中で今大会1位と2位の選手による参考試合を行い、その試合結果と、合宿内容から総合的に判断して調子がよい方の選手をアジア選手権へ派遣すると大会後に発表されました。
現在、施行されている2分3ピリオドで、セット制のルール下では、実力の判定が難しいという事情があります。格闘技らしいどんでん返しがみられるため、片時も目を離せないアクティブな試合が多くなる特性もありますが、安定して勝利を手にするのが難しくなりました。現行ルールでは、どの選手が強いのか、代表を選ぶ側も、以前に比べると迷っているのだろうか、と感じさせられました。
08年は、レスリング選手として最上の舞台、五輪開催の年です。今回は北京で開催のため、日本との時差も少ないので、観戦や視聴で楽しみやすくなっています。前回の金3、銅3を上回る、日本選手の活躍を期待しましょう。
~各カテゴリ&階級の優勝者~
天皇杯:グレコローマン60kg級、笹本睦(綜合警備保障)
優秀選手賞:
フリースタイル 55kg級 松永共広(綜合警備保障)
グレコローマン 96kg級 加藤賢三(自衛隊)
女子 63kg級 伊調馨(綜合警備保障)
各階級優勝者
フリースタイル
55kg級 松永共広(綜合警備保障)
60kg級 高塚紀行(日本大学)
66kg級 池松和彦(K-POWERS)
74kg級 長島和幸(クリナップ)
84kg級 鈴木豊(自衛隊)
96kg級 小平清貴(警視庁)
120kg級 田中章仁(FEG)
グレコローマン
55kg級 長谷川恒平(福一漁業株式会社)
60kg級 笹本睦(綜合警備保障)
66kg級 飯室雅規(自衛隊)
74kg級 岩崎裕樹(銀水荘)
84kg級 松本慎吾(一宮運輸)
96kg級 加藤賢三(自衛隊)
120kg級 新庄寛和(自衛隊)
女子
48kg級 伊調千春(綜合警備保障)
51kg級 坂本日登美(自衛隊)
55kg級 吉田沙保里(綜合警備保障)
59kg級 梶田瑞華(中京女子大学)
63kg級 伊調馨(綜合警備保障)
67kg級 西牧未央(中京女子大学)
72kg級 浜口京子(ジャパンビバレッジ)
