【Fight&Lifeコラム】What is my views watching fights?/高島学



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新宿と、さいたま。
日曜日は二大会をハシゴした。

 

戦極とZSTの「SWAT」と観た。

 

この2年、それ以前と違い、格闘技を観ることに対し、
ちょっと多角的になっている。
以前と違う、観方、楽しみ方を得たと思うし、
一つひとつの試合に意味合いを求めているような窮屈な面も感じている。

 

チケットを買って、観戦しているのではなく、
パスを貰って取材をしているのだから、楽しさを求めてばかりいてもしょうがないけど、
根底に楽しさがないと、仕事だって嫌になるっていうもの。

 

鶴屋浩のMMA復帰戦(と捉えていいのかな?)。
戦極に間に合うかどうか、時計と睨めっこするつもりが、
いつの間にか「4試合目まで到着すればいい」と開きなおっていた。


鶴屋の試合を観るのに、雑誌創りに関連した、多角的な観方は全く持っていなかった。
だから、取材よりも観戦に近い気持ちだったかもしれない。
ただ、鶴屋が戦う姿を見たい――。それだけ。

 

もちろん、彼がなぜ、打撃有りの試合に再び挑もうと思ったのか。
まだまだ動ける、成長しているなかで、引退を決意した要因となった
あの箇所は、大丈夫なのか――。記者の立場で知りたいことも、
格闘技ファンに伝えたい気持ちもあるが、
それを上回るのが、(失礼な話だけど)多分に老婆心的な気持ちだったように思う。

 

鶴屋は勝った。
道衣を着用し、ラペラチョークで勝った。
スウェイでかわす姿、
首投げからストレートアームバーを狙う姿。
アマ修斗で優勝した時の勝利のパターンから、
総合、いや修斗引退後も磨き続けた柔術にスイッチし勝った。

 

最初は柔術だけで勝とうとしていたに違いない。
それが、1Rで極まらず、厳しい展開になり、首投げを狙った。

 

当時と変わらぬ、殺気があった。
あの殺気、負けん気がなければ、首投げからバックを奪われ
敗れていた公算が高い。
負けん気が、勝利を呼び込んだ。
鶴屋は、鶴屋のままだったのが、凄く嬉しい。

 

道衣着用には、色々な思惑が感じられたが、
これは自分の勝手な感想なので、本人に話をきいて確認したい。

 

柔術の技を出すためだけの道衣着用じゃないはず。

 

そして、次から、
この道衣着用は(自分が鶴屋の対戦相手側の人間だったら)絶対に通用させない。
老婆心からの観戦は、試合途中で完全な取材に変わっていた。

 

格闘技は、おもろい。

 

自分にない部分を玉砕覚悟でなく
創意工夫し、何かで補おうとする選手の試合は、本当に面白い。
自分が万全でない、
あるいは強くない――という部分からスタートしている選手の試合からは、
盤石の強さを誇る選手とは別角度、すごく勉強になる。

 

鶴屋の試合を終えて、さいたまへ。
赤羽で立ち食いソバを食べてしまったが、第一試合に間に合った。
(けど、リングに集中したのは、4試合目から)。

 

ライト級GPも、五味の試合も、
極めて充実した内容だったように感じる。

 

ただし――
ドゥエイン・ラドウィックの欠場があったとしても、
7月12日にKO負けを喫した選手を出場させるのは、非常に危険だし、
勝たせマッチメイクに映るような試合は、8人トーナメントには不必要だ。

 

大会前から、自分が注目していたのはライアン・シュルツだった。

 

シュルツはIFL世界ライト級王者であり、
北米トップ集団(下位)に位置するファイターだ。

 

レスリングで培ったフィジカルを下地にした
強力な打撃を持ち、ダーティー・ボクシング+テイクダウン&パウンドが武器という、
ライト級のダン・ヘンダーソン。

 

グラウンドで戦いたい北岡。倒すか、倒れずにボクシングで勝負する横田。
レスリングベースながら倒れても、上をとってもいい光岡。
倒れずに殴り合う廣田。
誰と戦っても、彼らのスタイルが北米でどこまで通用するかを測れる試合だった。

 

個人的には北岡がシュルツと戦い、どのように戦うのかが見てみたかった。
パウンダーを相手に引き込んで、関節勝負ができるのか――。
日本人が北米で勝つ一つのスタイルだという確信があるので、
ぜひとも見てみたい顔合わせだった。

 

と同時に、フィジカル、ボクシング能力、レスリング能力で北米に劣る日本人。
国内の試合で、倒れずに、殴って勝ちぬける傾向が強くなれば、強くなるほど、
北米で勝つのは難しい――、そういう思いがあった。

 

が、廣田は一発もらうと勝負が決するかもしれないなか、
ダーティー・ボクシングを見切り、倒されてもパウンドを防御。
2Rには、ことごとくテイクダウン狙いをカットし、
最後は飛び込んでのスーパーマンパンチ+パウンドの追撃でKO勝ちを収めた。

 

この勝利は、自分のなかでは革命的だ。

 

シュルツの右ストレートが伸びてこない、執拗なクリンチワークがなかったことを
差し引いても、IFL世界王者に勝った。

 

このスタイルで、日本人がどこまで世界とやりあえるのか。
極め重視を覆すには至っていないけど、今後を追っていきたい――、
なんて、思ってしまう廣田の勝利だった。

 

結局、どんな観方をしようが、
自分は総合格闘技にドキドキし、楽しんでいる。
20代と同じような精神構造のまま、40代の最初の夏を過ごした。

 

幸せ者だ。

【 2008年08月27日 19:34 】

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