【Fight&Lifeコラム】Don’t make a fool !!!!!!/高島学


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締切りだ、睡眠不足だ。
PCが壊れた――、創り終わったページのデータがなくなった。
代わりに使用した家内のPCのアウトルックが不具合だ、
校正用にだけ機能しているファックスのインクがなくなった――、
慌ただしい2週間、なのに~~。
なんだかんだといっても、五輪中継を見続けていた。
あと3日間、今も野球の日本×韓国を視ている。ながら原稿だ。


4年に一度の重み、世界一を争う場。
完全な傍観者として、やはりちょっとやそっとでない緊張感に、
TV画面を見ているだけで、自分の人生が掛ったかのように一喜一憂してしまう。


男子サッカーと野球には興味がなかった。
五輪が、世界一を決める場所じゃないからだ。
しかし、隣国とのライバル心は今も自分にはある。


キューバに負けても、『今年の阪神とやったら負けへん』し、
『じゃぁ、メジャーが出てきたらどうなる?』という思いでしかないのに、
対戦相手が、強い強い韓国だと肩がこるほど力が入る。


それはあくまでも、ライバル心。


ソフトボール、バトミントン、卓球、普段ならなんら興味を抱いていない
競技に夢中になり、涙する。
ずいぶんと涙もろくなった。特に解説者の涙声に弱い――。


そんななか、格闘技の範疇に入るのか、入らないのか――、
柔道とレスリングには、自分は「総合」という目を通す見方と、
柔道、レスリングそのものを楽しむ、悔しがる見方、二つが存在した。


よって、
柔道とJudoは違う。ほとんどレスリングだ――とか、
2分で押し出し有りはなぁ――とか、そういう見解を
紙面を割愛して語るのは、本来は反則だというのが自分の認識だ。


あくまでも高島学という格闘技、
主に総合と組み技を観てきた人間が、ソレをするのは無礼な行為だ。
それって、剣道の雑誌が、
五輪になるとフェンシングを掲載するようなものだと思っている。


4年に1度、五輪の際だけ、それらの競技に目をやるのでなく、
自分が普段から扱っている、取材している選手たちの、2008年の頑張りを届けたい。


専門誌だって、商業誌だから、五輪も必要なんだろう。
やたらと、真剣勝負をしたことがない人が、真剣勝負をしたことがあるように
語っているのと同じように。


そんななか、一つだけありだなと思っているのは、
記者としてその競技を常に追い続け、他媒体でも、
そのスポーツについて執筆し続けてきた方に、レポートを依頼すること。
そこには、本物の想い(正しいか、間違っているのかでなく)、
本物の目線があると思う。


もう一つは、五輪スポーツを冒涜しているかもしれないけど、
普段、自分たちが観ているものを基準にした記事を作る。


自分の場合なら、「柔道の寝技は、力任せ」論だとか、
「柔道の投げを総合に使えるか」、「柔術家が使える投げ」とか。
「ADCCが押し出し有りになったら、SAWになるのか?」だとか、
あくまで“こっち目線”で、やること。


と、長々と書かせていただいたが、ここからが本題。


こっち側を軽んじるなよ。


柔道100?超級で金メダルを獲得した石井慧選手関連の記事で、
当然のように総合格闘技転向に関するものがあった。
石井選手の練習環境、そして発言から、そういう記事が出るのもいいだろう。


だけど、こっち側の記者として、腸が煮えくりかえるスポーツ報知の配信記事を、
某スポーツサイトのなかで目にした。


ある関係者のコメントとして、
『口がうまく、そして強い。かなり面白い選手になるでしょう』と評価されていると。


ふざけんなよ。
口がうまいって、なんだ?
総合格闘家の条件として、口がうまくないといけないのか?
本当に総合格闘技を馬鹿にするのもいい加減にしろ。


この“ある関係者”って、誰なんだ?
“ある”って何だ?
どういう“ある”、なんだ。この“ある”は、=総合格闘技なのか?


確かに、総合はそういう風に付け込まれることをやってきたこともあるかもしれないけど、
こういう記事を書くのなら、記名原稿にしろ――といいたい。
無責任で楽な仕事してんじゃないぞ。


“ある”なんて隠れ蓑を使って、行数稼ぎになるような
軽いもんじゃない、総合格闘技は。本当に。


口が上手くない総合格闘家を、数多く知っている。
だいたい、あの石井選手のコメントを聞いて、口が上手いといえること自体、
これを書いた人間の物事を推し量る力には、疑問点がつく――けど、それはまぁ、いい。


技術体系も、レギュレーションも、固まっていない総合格闘技界。
それこそ、口が上手くないといけないなんて思っている奴らがいるなかで、
必死になって、命を削る想いをして、そこに賭けている人間がいるんだ。


総合でプロになりたい、そして家族を支えないといけない。
そんな状況で、練習ができる環境を求め、アルバイト先を変えざるをえない
アマチュアの子だっている。


指導、指導に追われ、
自分の練習ができなくてなお、バイトをしないと将来が不安なプロだっている。


結婚して、子供ができた。人生を賭けて、ジムを開く選手がいる。


みんな、強い。
同じ体重なら、『総合をやれば』現時点の石井選手より強い。
でも、3人とも、口下手だぞ。


不器用に、自分の人生を全うしているぞ、彼らは。


くそっ、これを書いている今でさえ、悔しくて涙が出てくる。
感動して、嬉しくて、悲しくて涙が出ることは、異常に多くなったが、
悔し泣きなんて、いつ以来だろうか。


こんなこと、4年後には絶対に言わせない。
くそっ、これ以上、総合格闘家を馬鹿にされてたまるか。


ンっ? 気がつけば、
我が家の地デジに対応していないTVの画面が、日本×韓国のTV中継から、
娘のワンワンニャンニャン・ゲームに変わっている。


まぁ、いいや。五輪は終わり。格闘技のことを考えよう。



【 2008年08月22日 15:18 】

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