【コラム】Anxiety ???/高島学

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Fight&Life vol.06

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ツボにはまった。
良い試合を見ると、肩がこる。
そして、大会終了後には疲労を感じる。
知らない間に奥歯を噛み、
肩に力がはいるから、本当に疲れる。
翌日は、頭痛がする。


DREAM3はまさに、そんな大会だった。





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自分にとってのベストバウトは、多くの人と同じで

エディ・アルバレス×ヨアキム・ハンセン。

サウスポーのヨッケに、右を合わせるエディ。

あれって、相打ちどころか、自分がKO負けするかもしれないリスクを

試合開始早々におかして殴りにいっているとしか思えない。




ヨッケの――、

デモンストレーションでしか見たことないような、巴投げからの腕十字。

とんでもない。

レスリングを軸にし、打撃、寝技がある今のMMAの戦い方にあって、

ヨッケはレスリングを捨て、しっかり力を温存してガードワークを駆使する。

ここにもリスクをおかす、姿勢が見られる。





世界基準ではない、けれども世界基準を凌駕する戦いができるヨッケ。

本当の意味で、負けても評価が落ちない一戦だったと思う。





何よりも、

あれだけフラフラになって戦う二人を見て、

何かを感じないほうが嘘だろう。





感嘆し、叫び声が漏れそうになった高度なテクニックが、

軽く感じてしまうほどの二人のファイティング・スピリット。

素晴らしい試合だった。





川尻×ブスカペの試合。

ゴツゴツとした試合。

解説の元気クンが、中村×チョン・ブギョンを「プロの試合」と絶賛していたが、

なら、自分はこの試合を「プロフェショナル・ファイターの試合」として絶賛したい。





ブスカペが、アームドラックから片足タックルへ切り替えた攻防。

あの川尻からテイクダウンを奪い、立たせないよう、あらゆる手をこうじる。

疲れて、下になるようになっても、

半身になりシザース・スイープにも似たスイープを仕掛ける。

ヒザを折り曲げて、川尻の胸に押し当てるのだから、そりゃあ川尻との距離が縮まり、

生命線の手首掴みが外れれば、パウンドや鉄槌をもらってしまうだろう。

それでも、上をとるために、ブスカペは仕掛け続けた。





そんなブスカペの頑強なガードワークを、潰していく川尻のプレッシャー。

ブスカペをパスできるファイターが、日本にどれだけいるだろうか?





テイクダウンの攻防と、立ち上がろうとする際の攻防。

今、総合格闘技に必要な技術が多くみられた試合だった。





戦っている両者の良さが出たエディ×ヨッケ戦とは対照的な――、

相手の良さを殺しにかかる川尻×ブスカペ戦。

この試合だって、その後の2試合に負けない好勝負だった。




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メイン――。

宇野はたいしたものだ。

物言わぬ人間の強さ。

自分で己の選択権を持つ、そんな人間の責任感と強さを見た思いがする。

「PRIDE武士道は格闘技で、HERO’Sは色もの」・・・

そんな格闘技ファンの言葉。

誰よりも格闘技が好きで、

一番の格闘技ファンであり続ける彼は、どのように自分に折り合いをつけていたのか。





リング上で答えを出す。

武士道勢に負けない、時をHERO’Sで過ごしてきたことを、リングで見せた。

ナチュラル・ヒールを、ナチュラルに演じることができる強さ。

やっぱり、宇野は面白い。





試合内容も良かった。

ただ、自分からすると、あの試合はドメスティック・ベスト。

TVコンテンツとしては、前情報もあり、想い入れもあり、

何といってもPRIDEやHERO‘Sというフィルターを通すことができる。

そんな意味でも、大会ベスト・バウトだろうけど、

ギロチンチョークのない、タックルの攻防は、世界では通じないと思う。





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タックルを潰して膝蹴りができるというルールの影響かもしれないが、

一発逆転で、しかもリスクが少ないギロチンをもっともっと磨く必要が、

日本の総合格闘家にはあるだろう。





宇野は国内ベストだ(ストロンゲストとは言ってないので、あしからず)。

日本人と戦ったとき、いつもそう思う。

その宇野が苦戦をする、海外勢との戦い。

ちょっと、考えさせられる。





試合後も、興味が尽きなかった。

川尻の大人げない、目つき。

凄く良い。

大人になんて、なる必要ない。





大人を相手にするのに、自らの精神年齢を上げてもしょうがない。

抑圧から生まれるパワーでなく

自らを解放できる、まっすぐなパワーが、川尻には今も昔もある。

まるで、思春期のナイーブな青年が怒りに体を強張らせているような川尻の睨み。





大人は、言いつけを守らない子供が苦手だ。

大人相手なら、マインドゲームもできるが、

純真無垢、天真爛漫な子供の言動には、手を焼く。

川尻は、そんな純粋な気持ちのままで、

(機会を与えられるか、機会を勝ち取り)宇野にすべてをぶつけてほしい。





そんな川尻に技術的な注文は、がぶりで終わらず、防御しつつ攻撃をする。

後の先というべき、フロントチョーク系の技術を習得してほしい。

ダース・チョーク、ワールド、アナコンダ、ギロチンの精度を高めれば、

TV関係者、ファンが欲しがる一本勝ちが増えるのではないか。






相手の光を消し続け、

相手が光明を得たと思いタックルを仕掛けたところで首を絞めあげる。

そんな技術の完成度を、上げて欲しい。

川尻のスタイルだからこそ、フロントチョーク系の技がより生きてくると思う。






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大会翌日。会見に姿を見せた勝者達。

(左からメイハム、川尻、エディ、宇野)





それにしても、繰り返してしまうが、つぼにはまった大会だった。





メイハムやニック・ディアズがいたことも、自分がツボにはまった要因だと思う。





ただし――、メイハムは残虐性を見せるようなファイトより、

あっさりと一本を極めてほしかった。

取れるときに、取る。

そうでないと、格闘技は緊張感が一気に欠けてしまう。





緊張感を常に相手に感じさせる攻撃、

一瞬の隙で勝利を呼びこむことができる攻撃。

そして、防御。

そんな攻防があると、いわゆるライトなファンも

スタンドのKO劇のように、組み技の攻防にも理解を示してくれるのではないか。





一瞬にして崩すことができる攻撃、

スタンドでは、相打ちにも近いカウンターショット。

組み技では、一瞬の切り返し、ギロチンチョーク。





二つのカウンターが、総合を面白くし、世界に勝つ確率を高める。





本当は4月26、27日の全日本ブラジリアン柔術選手権と

5月5日のヒクソン・グレイシー杯を見て、

柔術界の憂いについて書き記そうと思ったのに――、





自分はまだ昨夜の興奮の中にいる。

そして、頭痛がやまない。











【 2008年05月13日 15:15 】

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