Photo by Zuffa, Pro Elite, IFL, Keith Mills and Manabu Takashima
3月の終盤から、4月の第1週にかけて、
正確にいうと、3月21日から4月5日にかけて、
米国ではSpike, Showtime, Versus, HDNetなどの電波に乗り、
米国全土レベルで中継されたMMA大会が6大会もあった。
WEC、SHOXCが2回、Strikeforce、IFL、そしてUFC FIGHT NIGHT。
全6大会でTV中継されなかったファイトも含め、62試合が行われた。
そのうち、32試合の映像を見ることができた。
自分にとって、ベストイベントは間違いなくUFC FIGHT NIGHT。
続いて4月5日のSHOXC、そしてStrikeforce。
4番目が、WEC。
で、IFLと3月21日のSHOXCが、率直に面白いと感じた順だ。
もちろん、何を持って面白いかは、千差万別。
そんななか、ファイトナイトに出場した選手の質の高さと、量の多さは正直、群を抜いていた。
ズッファが目指した年間30イベントという構想は、
どうやらかなりの先送りになったようで、
その是正路線の影響が早くも出始めたのか、各大会のカードが抜群によくなったと思う。
少し前に感じられた、PPVイベントでの興味の沸かないアンダーカードが並ぶという
状況から脱却しつつあるみたいだ(今週末のカナダ大会は、ちょっとなぁというアンダーカードだけど、その次のラスベガス大会なんて、素晴らし過ぎる)。
第一試合からメイン級の試合が並ぶ、そういうお腹いっぱいのラインナップでなく、
名前がなくても、試合内容自体で楽しめる。
そんな試合が、名前のある選手を育てていく、そういう好循環を感じる。
EXC系のSHOXC――、4月5日大会関しては、それはそれは粒ぞろいで面白かった。
逆に3月21日の方は、退屈とはまでいかないが、
アグレッシブな試合をしようという気持ちに、技量がついていかない試合、
空回りっぽいファイト、つまり雑な試合が多かった(ひょっとすると、今の米国人はどっしりとしたMMAを行えないのかもしれないという疑問を抱いたほどだ)。
スカウティング活動で、トップどころの質は追いつける可能性もあるが、
その質が伴った量という部分で、
今のUFCに対抗できるラインナップを揃えることができるプロモーションは、存在しない。
それでも、EXCはバンタム級(140ポンド契約だったか? EXCはなぜ、独自の階級展開をするのか、理解に苦しむ。そういう小さな変化は、誰も好まないと思うんだけど)
●マーク・オーシロ ●ジバ・サンタナ
で、SHOXCデビューを果たしたICON王者マーク・オーシロ、
エディ・ブラボーの弟子コナー・ヒュンや、
腕関十段(?)ジバ・サンタナ、ポアイにファブリシオ・モランゴ、
バオ・クァーチなどが、はまれば、
これだけの試合ができるんだということを見せつけた。
「はまれば――」、とうのがUFCと比較したときのEXCの現状といえるかもしれない。
たまちゃんが、ギタギタにやられた女子の試合。
実力差がモロに出た勝負だったけど、
女子ファイターがジャーマンを見せ、ツイスターで勝つなんて、
ズッファには出せそうにない味。
これをEXCテイストとして、定着させていってほしい。
相当の初期投資のし、そろそろ将来像が見えつつあるのかな? というEXCだ。
ストライクフォースは、大したものだと思う。本当に。
サンノゼ在住のファイター同士の対戦で、1億1000万円以上のゲート収入。
さらに、その二人のファイトマネーは合わせて5000万以上。
ぶっちゃけ、日本で横須賀や西宮在住のファイター同士を戦わせて、
こういう規模のイベントが開けるかって思うと、
アメリカのMMA、ショービジネスの強さを見た思いがする。
WECは、パウラォンの試合が無くなったことで、一挙にスケールダウン。
ブライアン・スタンのライトヘビー級王座奪取も、
イラク戦争の英雄という――IFLのティム・ケネディに相通じる――スター養成は、
あくまでもアメリカン・ドメスティック、全く共感できない人も多いだろう。
●ブライアン・スタン
ユライア・フェイバーを中心としたフェザー級、
盤石の強さを見せるカーロス・コンディット政権下のウェルター級、
次から次へと強者が現れる新興バンタム級、
この3階級と他の3階級の間に、ちょっと距離があるため、
3大タイトル・シリーズも、そのコンビネーションが重要になってくる。
●ユライア・フェイバー
にしても、6月1日大会など、ユライア×ジェンス、バンタム級世界戦に加え、
正式発表されていないけど、すごいアンダーカードが噂されている。
ジェフ・カラン×マイク・ブラウン、ペケーニョ×ジョゼ・アルド。
この米国人対決&ブラジル人対決が実現すれば、
個人的にはホウジマール・トキーニョ、ウィルソン・ゴヘイア、吉田善行が出場する
UFC84に匹敵するアンダーカードが並ぶことになる。
WECと同じように、3大世界戦シリーズを展開するIFLは、
ヘビー級のロイ・ネルソン、ライトヘビー級のウラジミール・マティシェンコ、
ライト級のライアン・シュルツ、フェザー級のヴァグネイ・ファビアーノと
実力派王者が並んでいる。
●ロイ・ネルソン ●ライアン・シュルツ
けど、層の薄さは致命的で、正直、ネルソンがキンボと戦えば――だとか、
シュルツとグレイ・メイナード、
マティシェンコ×ブライアン・スタン、ファビアーノはユライアという風に、
他のプロモーション所属ファイターとの試合ばかりが楽しみになる。
●ファビアーノ
って、、、こういうことが本当に楽しみになるよう、
もっと、もっと、頑張る必要がある――などと、ひとりごちてしまうってところで、
この6大会の私的ベストファイトは、以下の通り。
1位ネイト・ディアズ×カート・ペルグリーノ
(劣性を逆転、しかもタップを奪う前にガッツポーズなんて最高)
2位ジバ・サンタナ×マット・ルーカス
(殴って、倒れない。そんな相手にパウンド受けつつの後方回転腕十字、これも最高)
3位カン・リー×フランク・シャムロック
(フランクが近づくことすら許さなかったカン・リー、言葉を失う戦い方だった)
4位マーカス・アウレリオ×ライアン・ロバーツ
(パウンドで追い込んだ相手にバックキープでなく、高速回転腕十字。ちょっとない)
5位たまちゃん×シャイナ・ベイスレー
(左手を潜ることはなかったけど総合でツイスターが決まったのを見たのは人生2度目)
6位チアゴ・アウベス×カロ・パリシャン
(組みついたところに、ヒザ蹴り。あのカロがTKO負けするとは――)
7位ヴァグネイ・ファビアーノ×シャド・ライルレー
(ホロデッキーと殴り合いを演じたライルレーが、レオ・サントス兄の左ハイに沈んだ)
8位グレイ・メイナード×フランク・エドガー
(立ち力でエドガーを圧倒したメイナード。「体格が違うから」のセリフは素敵過ぎる)
9位ドリュー・フィケット×イ・ジェソク
(気がつけば、ギロチン。米国人の際の攻防でのギロチンを決して甘く見てはならない)
10位ケニー・フロリアン×ジョー・ローゾン
(個人的にローゾンは宇野薫クラスだと思うので、ケン・フロの強さに圧倒される)
ちなみに、22日発売のFnLでは
アウレリオの腕十字、カン・リーの打撃の間合いを
それぞれ早川光由、吉鷹弘の両氏に解説してもらっています。チャン、チャン。
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