26日にラスベガスで、WECが行われた。
その大会直前に、ズッファのWEC広報担当から、6月1日大会で
WEC世界フェザー級選手権試合ユライア・フェイバー×ジェンス・パルヴァー、
WEC世界バンタム級選手権試合ミゲール・トーレス×マニー・タピアの2試合が
行われる旨のプレスリリースが届いた。
同じズッファのUFCでは、今後、
4月2日、19日、5月24日、6月7日と立て続けで大会が行われるが、
4月の両大会はもちろんとして、
5月24日のラスベガス大会は既に8試合が決定し、そのメインである
UFC世界ライト級選手権試合BJ・ペン×ショーン・シャークの一戦は、
2月末、つまり3月1日の大会前に発表され、
この大会から大々的なプロモーションが開始した。
その1週間後には6月7日のロンドン大会の主要カードである
チャック・リデル×ラシャド・エヴァンズ等も発表されている。
もちろん、公式発表とプロモーションの開始が、その時点だということで
各選手との契約や交渉は、ずっと以前から行われていることは明白だ。
この他、29日に行われるストライクフォースのメインカード、
フランク・シャムロック×カン・リーなど、5ヵ月に渡りあたためられ続けてきた
ベイエリアの注目カードだ。
この「イベントを成功させるため」の早め早めのプロモーション、
カード決定という側面は、イベントの質を高めているに違いない。
MMA、スポーツ、勝負は絶対的に能力が優れている者が勝つというわけでない。
いわゆる番狂わせというものが、存在する。
ただし、その番狂わせ。ただ、ラッキー、運任せで生じることもあるが、
弱い者が、強い者に勝つには、研究とトレーニングが不可欠だと思う。
相手を研究し、自分の長所と相手の短所を組み合わせて、戦う準備をする。
つまり戦術、戦略が、弱者が強者に打ち勝つ可能性を高めることになる。
もちろん、強者も弱者を研究するわけだから、番狂わせの類が早々起こることはない。
この相手を研究できるという部分で、カードの早期決定は、勝負の質を高め、
技術の発展にも寄与、観客にレベルの高い攻防を提供することになっていると自分は思う。
相手を知る。自分を知る。
これは勝負ごと、勝つための勝負ごとに欠かせない。
そして、プレイヤー側に納得できるだけの準備をしてもらうことは、
主催者として、上から選手を見るのではなく、選手あっての格闘技イベント、
選手の環境を整えるという尊敬心の表れでもあると思う。
やむを得ぬ事情で、対戦カードの決定が遅くなることは、当然、ありえるだろう。
それにしても、日本の総合のプロモーションのカード決定の遅さはどうだろうか?
例えば、日本の総合格闘技界を背負って立つ二つのプロモーション、DREAMと戦極。
DREAMの場合、3月15日の大会開催で、
2月13日にカード発表が1試合、
2月26日にカード発表が1試合、
3月7日のカード発表は4試合、
3月11日と13日に1試合ずつ。
大会発足から、大会開催まで、1カ月と2日という、いわば緊急事態という背景があり、
そして選手のモチベーションが高かったため、あまり問題視されなかったが、
今後もこれでは、困る。
次回4月29日大会に関しても、
3月27日に最初のカード発表、3試合が行われたに過ぎない。
では、もう一つの屋台船、戦極の場合はどうだろうか?
3月5日の旗揚げイベント開催、この発表があったのが昨年11月27日。
1月11日に最初のカード発表が行われた(が、このカードは後にキャンセルされた)。そして、1月22日に2試合のカード発表があった。
続いて2月3日に1試合、
2月13日に3試合、最後の1試合がアナウンスされたのは2月21日だ。
大会まで2週間や1週間の準備期間でリングに上がった
ファイターに対して何を求めることができるのか。
リング上のパフォーマンスは、リング上の問題だけではないはずだ。
準備期間が多いから、試合がつまらなくなることもあるだろう。反対に、
準備期間の長短に限らず、エキサイティングな試合になる、噛み合うこともあるだろう。
そこはマッチメイクの妙といえる駆け引きをするのが、プロモーションの力量だとも思う。
けど、反対に――。
プロモーションの規模に関わらず、
準備期間が少ない。
力の差は明白。
どうせなら、華やかに散ってこい――。
そんな無言のプレッシャーを、
プロモーションサイドが選手に与えたことはない……、と断言できるだろうか。
せこいと感じることができる勝利、
それは相手の研究を怠っていないからこそ、可能になる。
老獪さは経験の裏返し。強さにつながると思う。
「やるだけのことはやった」と選手が口にするのは、何も試合場だけのことでなく
試合前の準備の段階を含めてのこと。
太平洋の向こうの事情を踏まえると、
現に実行されているのだから、
せめて、そういう方向を目指す、そんな意思ぐらいは感じられてもいいと思う。
そして、マスコミとしての意見を述べるなら、
新聞やTVなど、不特定多数のファンの目をひく、キャッチーな会見も必要だろうが、
専門誌が格闘技ファンのために伝える、そんな練られたプレビューも不可欠、
ブームでなくても格闘技を見る目を養っていいける記事も必要だと思う。
選手の気持ち、
そしてプロモーションがいきわたるために、
少しでも早いマッチメイクの決定が望まれる――
ってごくごく、当然なことだと思うけど、そういう、格闘技界にしなければっていうのも、
要らぬお世話、青い理想論って、嘲笑の対照になってしまうのだろうか?
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