【コラム】第9回TK式格闘学会を拝見させてもらって、感じたこと/高島学

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方向感覚には自信がある。
GPSが嫌い(太古の時代のように感じられるサラリーマン時代にボーナスが現物支給だとか、営業部の人間は自費購入なんていう忌まわしい件がトラウマになっていて)で、
地図は北が上になっていないと見られない、なんてこともあるけど、
方向感覚には自信がある――。

なのに、、、、なぜか赤坂、六本木、麻布、あの辺りになると方向感覚を失ってしまう。


日曜日、乃木坂にあるA-スクエアで行われた、
TK式格闘学会を拝見させてもらった際も、
乃木坂駅を青山霊園の方に出てしまい、
危うく遅刻しそうになってしまった。


TK、高阪剛さんが行う格闘学会も、早くももう9回目の開催となった。
なんて、常連のように書いているけど、
自分は海外取材や1日中行われる柔術大会なんかが重なって、
10ヶ月ぶり2度目の拝見となったに過ぎない。


取材以外でも某出版社の方、某TVアナウンサーなど、
自分の知っている顔も見られた。


格闘技に関係していて、知りたい――という気持ちは、もっとも大切な部分だと思う。


格闘技に正しい技なんて――ない。
人それぞれ性格も体格も違うし、同じ名称の技を使うとしても、
その技を使う状況、相手、掛ける方の態勢で、同じようになんてならない。


それを自分が知っている知識を尺度、自分が使える技を尺度にして
格闘技を観ると、もう、これは「知りたい」という気持ちより先に
「違うだろう」という優越感を持つという過ちを犯しがちになってしまう――と思う。


ただし、正しい技はなくても、間違った技は存在すると思っている。


だから、オクタゴンの中でパウンドを受けたことも、
リングの上でローキックを蹴られたこともない自分にとって、
TKのような人物から、
直接試合映像を観て、そこで起こった現象について解説が加わる場がとても貴重だ。


格闘学会の受講者は、経験者よりも、観戦者の方が多いように感じる。
観ている者が、技術を理解したい――という気持ち、
自分のような仕事に就いている者にとっても、とても大切な部分だ。


強くなりたいなら――道場に通うべき。
汗もかかずに技を習得できるわけもないし、強くなれるわけもない。


ただし、それと技術を知るという気持ちは違うベクトルで存在する。
格闘技を見る上で知っていた方が、格闘技観戦が楽しくなる。
より面白くなる。


実際に道場に通い始めると、もう格闘技を観なくなる――。それも有りだと思う。
観るもやるも両方を続けるには、費やす時間や先立つものがない人だって多いから。


でも、理想は観て、やる。やって、観る。
練習するようになったからとって、自分より強く、華があり、
人間として色々な経験をしているトップ・ファイターの試合に興味がなくなるなんて悲しいと思うし、
観ていて「自分にはできない」と思い込むのも悲しいことだ。


後者に関して、TKはその橋渡しになる機会をこうやって、提供してくれている。


今回の講習内容は以下の通り。


川尻達也の小外刈り。
ルイス・アゼレードのスイープ・アテンプト。


石田光洋のタックルとスイッチ、バックコントロール。


GSPのオクタゴンを利用した、リフトアップ・テイクダウン。


チェ・ブギョンの引き込みからのかんぬき+腕十字。
青木真也のディフェンス。


ブスタマンチの腕十字の仕掛けと草刈り。
滝本のKOパンチ。


チェ・ホンマンのテイクダウン二つ。
ヒョードルの腕十字。


ランディ・クートゥアのテイクダウン。


秋山成勲の軸のぶれないパンチ。
三崎和雄のKOパンチ。


その内容は――、
それは受講料を払って知ってください。TKは自分の知識を披露してくれている。
寿司屋でスシを握ってもらうなら、お金を払うべき。
ここで観たことが、どんな内容だったのかなんて、公の場で語るのは反則。
それなら、それで特別料金を支払う必要がある。


技術は、ジム関係者にとって、一つの生活の糧だから。


とにかく、本当に面白い講習会だし、
その後で実践できるのが、またいい。


かくいう自分も、昨年末に米国でとあるファイターが
エディ・ブラボーにプライベート・クラスを受けた際、
通訳として参加しながら、実際にエディのラバーガードを仕掛けてもらった。


完全に顔を胸につけられて、視野がなくなり、
エディが何を仕掛けているのかも全く見えない――、
ちょっとした恐怖を味わった。
動くことは、大切だ。
閑話休題。



観て、動く――がある。
本当に格闘技普及に必要な試み。


FnL誌上でも、実際の試合から気になったポイントを
吉鷹さんや、ランバー、植松直哉、渡辺直由に技術解説をしてもらったことがある。
(現役選手は、敬称を略させていただきます)


凄く楽しい。
でも、これが海外の試合となると、
試合自体を見ているのは、自分や実践してくれる彼らのみという可能性が高くなる。
だから、専門誌には(海外に限らず)試合レポートが必要だし、試合、選手を知ってもらう必要があると、"自分"は思う。


そこで『知りたい』気持ちを増幅してもらわないと。


そして、実際に道場に通っている人たちなら、道場で。
観戦が中心のファンなら、家で友人や家族とでいいから、一度、
雑誌に掲載されている技術モノの分析写真を真似てほしい。


そうやっていると――、やる人も、観る人も格闘技がもっと楽しくなるはず。


まずは、FnLを観てもらって、上にあるように真似をしてもらって(冷や汗)、
2月10日(日)、第10回TK式格闘学会を受講してください――。
首都圏でなくて、講習できない――という方、
大丈夫、もう、あなたには『知りたい』という気持ちが芽生えているので。


で、こういう仕事をしている自分に必要な能力とは――、
ピックアップする試合、気になるポイントが見当違いにならないこと。
その方向感覚は、決して鈍っちゃいけない。

 

【 2008年01月18日 19:18 】

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