【コラム】ミャンマーラウェイを見た/高島学

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Fight&Life vol.2
本日発売!


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文=高島学
text & photograph by Manabu Takashima



ミャンマーラウェイを見た。
大会を終えて思ったのは、現地で見たいということ。
そして、ミャンマー人同士の闘いが見たいということ。

素手で闘う"闘い"は、
グローブをつけた闘いとは違う技術体系があるのか。
それとも、ただのケンカなのか。


多くの人が、後者を理由にラウェイを見たいのだと思う。
少なくとも自分はそうだった。

ただ、そう考えると、
キックやムエタイをやっている人間は、
ラウェイに負けちゃあいけないなとも思った。(試合前は)


その根拠は、もう10年も昔になるが、
UFCでタンク・アボットが出てきたときに遡る。

アボットは、その風貌とファイトスタイルで
当時のUFCで大人気のファイターになっていた。

レスリングの基礎はあるのだが、完璧な喧嘩スタイル。
自身、格闘技歴に関してバーファイト(喧嘩)のことを
テコンドーともじって、バーコンドーと応えていたように。


ウィットがきき、試合後のコメントでも
ビールを煽りながら、随分と面白い話を聞かせてくれた。


が、そんな彼だからこそ、
UFCで絶対的な存在になることは、
格闘技の存在意義が疑われると感じていた。

ビール腹で、一発と瞬発力はあるけど、
コンビネーションもスタミナもない。

そんなタンクに、日々、節制し、厳しいトレーニングを
行なっているファイターが負ければ、
何のための格闘技か、何のための練習かと、
疑問を抱かずにはいられなかった。


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で、ラウェイでもそうだ。
喧嘩が見たい、けど、キックボクサー、格闘家は
ミャンマー人に負けてはいけないと。

今は、全くそんなことは思わない。
彼らが喧嘩屋なのか、優秀なアスリートかどうかも、
もう問題視しない。

彼らは、気合が入りまくった尊敬すべき格闘家だった、
1Rは様子見なのか、
日本で行われている大会だから多少は花を持たせているのか、
それほど積極的に攻めることはなかった。

そして、グローブをつけた打撃格闘技的にいえば、
テクニックに優る日本勢が1Rを順調にとばす。


が、やはり慣れない素手の闘いでは、
異常に力が入っており、スタミナのロスも激しかった。
2Rになると、
勢いは完全にミャンマー人ファイターのものとなる。
彼らは一度や二度、顔面に拳をぶつけられても、
ひるむことなく、歩を前へ前へと闘い続けた。


ちょっと、これまでに見たことがない。
素手で力いっぱい殴られる怖さが、会場を包み
そこに無責任な盛り上がりが起こることもない。


メインに出場したロン・チョーのように
足技を主体に闘う選手がいることにも驚かされた。


総じていえることは、もう単純な言葉だけど、
根性が凄いという表現しか、思い当たらない。


そして、ピュアだ。
過激なルールで闘い、正々堂々としていた。


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寒川直喜、
さすがと思わせるスタンドのスリーパーで勝利した。


対戦相手のソー・パインの潔さがなければ、
あのスリーパーは極まっていなかったと思う。


ラウェイは基本、寝技はない。
投げた直後にスタンプが見られることはあるが、
本来は、立って闘うもの。


ソー・パインは、技術的に防ぎ方を知らないであろう
チョークを仕掛けられて、立ったまま対処しようとした。


なぜか? ラウェイは立って闘うものだから――だろう。

苦しくて、ヒザをつけばグラウンド状態だ。
減点になるかもしれないが、寝技のないラウェイでは
スタンドで試合再開になる可能性も十分考えられた。


だが、ソー・パインはヒザをつくことすらなかった。
そして、タップをした。


嫌になったら、
気持ちが折れかければ、
幾度となくダウン宣言のない、
グランド状態へ逃げを打つ(のも致し方ないのだけれども――)
日本人選手が多かったのとは対照的な潔さだった。


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彼らは喧嘩屋じゃない。
そう、喧嘩は素手でやらないし、
正々堂々とは、かけ離れている。


彼らが純粋というか、
ラウェイという競技が、純朴なファイターを育てる。
そんな、ほのぼのとした感想を抱いてしまう過激な闘い。
凄く、不思議な格闘技だ。


ミャンマーで見たら、
ミャンマー人同士の闘いを見て、
まだ、そんな牧歌的な感想を持っていられるのか。
そこに、どんなラウェイがあるのか、自分の目で見て、
耳で聞いて、肌では感じたくはないけど、
五感でしっかり感じたい――、と思った。


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【 2007年08月23日 12:51 】

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