文=高島学
text & photograph by Manabu Takashima
8月23日にFnL(自分は、仕事のときでもプライベート
でも、Fight&Life誌をこのように略させてもらっている)
の第2号が、店頭に並ぶ。
FnLでコラムを書かせてもらっているのに、
いつも雑誌の方向性と関係ないことばかり
書かせてもらっているので、今回はチョイとばかり、
雑誌と関係のあることを書こうかなと思う。
といっても、格闘技ネタではなく
自分のレポートの「作り方」の話。
まず、最初に、
本来は、こういうことは仕事仲間や友人との酒の席の話で、
わざわざ、読者の皆さんに説明することではない――
というのが、自分の大前提。
じゃあ、なぜ今書く?と問われれば、
世情に合わせて、
お世話になりっぱなしの人に少しは役立ちたいから――
としか答えようがない。
BLOGというものがあり、ライターや編集者で
自身の格闘技に対する姿勢、仕事へのスタンスを日々、
配信している方もいる。
これも時代の流れなんだろうけど、
それは人それぞれなので――
以下の話は、全く個人的なことでしかない。
自分は基本、そういうこと(姿勢やスタンス)は
「レポートを読んでもらって」、
「雑誌を見てもらって」感じてもらえればと思っている。
それで、
雑誌の方向性が浸透していくようならラッキー――程度に。
(だから『やる側』とか『見る側』とか謳うのは正直、
違和感がある。読者の方から『そういうもんなんだ』と
理解してもらって初めて通じるんじゃないだろうか)
同時に、基本的には偉そうにコラムと題して、
一人称で原稿を書くのも、
ちょっと反則ぐらいに感じている。
答を書くのが、自分たちの仕事ではない。
もちろん、自分の考えを押し付けることも。
答を導くためのプロセスを書き記し、
答を見つけるための、判断要素を提供する。
答は、読者の方がそれぞれ持てば良い。
というわけで、
編集方針やレポートの意義などを
雑誌の発売直後、直前に、
無料で披露するのは<基本>的に大反対。
だって、それって結局、宣伝でしょ。
宣伝するのが、ライターの仕事かなって思う。
自分も関わっているFIGHTER誌に
格通の朝岡さんが出てきて、
他の雑誌のことをべちゃくちゃと
喋っていたのは正直、驚いた――
けど、アレも有り。
編集長だし、インタビューってことで。
ライターとしても、雑誌の喧伝も、
別に有料なら、良いと思っている。
↑にあるように、
原稿料が入らなければ手を抜く、そういう性格だから。
人それぞれ、色んな考えあるのも理解しているし、
お金が入る、入らないということを問題視せず、
言葉を記すことができる人は、凄いんだろう。
しかも読者から直接のリアクションを
受け止めることができるなんて、心臓の強さも相当だ。
自分には、そんな度胸はない。
無料でネタを書くこと、これも大切なんだろうけど
慎重にしていきたいと思っている。
全く話が横道にそれっぱなしだ。
(これはネットの良いところであり、悪いところだ)
そう次号、FnLに関係のあることの話――。
8月23日発売(宣伝!!)のFnLで、
通訳を介した仕事をした。
自分の場合、いちおう格闘技の会話なら英語を使えるので
通訳を通して、仕事をすることが滅多にない。
数少ないケースも英語→フランス語→英語とか
英語→スペイン語→英語もごくたま?にあったけど、
英語→ポルトガル語→英語というパターンがほとんど。
お隣韓国では、日本語→韓国語→日本語という取材が大前提だった。それでも、取材相手が英語を話せるなら、通訳を介さず英語でやってしまう。
なんだろうか、言葉って、結局、自分の頭のなかで
出てきたこと、直感で思ったことが、
一番、記事にしやすいと思う。
そして、英語だろうが、日本語だろうが、
一番大切なのは、自分の理解力。
思い込みは、英語でも日本語でも起こりうる。
だから、取材時には気持ちをフラットする必要がある。
同時に、通訳の方を介する取材は、
当然、通訳の人の物事の考え方、これまでの人生経験が
加味された言葉で組み立てられることを忘れてはならない。
大会の記者会見など、
プロモーションが用意した通訳の方っていうのは、
あらゆる事情を理解していて、
訳す言葉、訳さない言葉というものが自然と生まれてくる。
また、質問する側の言葉をごく自然に組み替えてしまうこともしばしば。
だから、英語を理解する記者は時には疎んじられるので、
ここでは絶対に大人しくしていること(ねぇ、I兄ぃ!!)
今回、FnLで日本語→ポルトガル語→日本語
という取材をさせてもらった。
この場合、自分が通訳の人に求めていることは、
格闘技の知識でも、完璧なポルトガル語でもない。
逆に格闘技以外の知識が豊富で、ポルトガル語圏の歴史、
風習、政治、経済、宗教に詳しい人の方がよほど大切。
何よりも好奇心旺盛な人がいい。あと、人間好きな人。
格闘技のインタビュー、試合モノ、技術モノでもなんでも、
最終的に行き着くところは、人間性。だから――、
人間性を知る知識を現地の言葉で、尋ねることができる素養を持つ人がいい。
尋ねることができる――程度でいい。
答は、インタビュー相手が持っているから。
自分の経験からいうと、ヒアリングやリスニングは
話すことの、数十倍楽だ。
聞き取れても、日本語のように英語を返すことができない
歯がゆさは、それこそ何百回と経験してきた。
「俺、日本語だったら、こんな稚拙な言葉でなく
きちんと話ができるのに――」と、地団駄を踏みたくなる。
だから、通訳の人に求めるのは、
キレイな日本語、しっかりとした日本語を操れる人。
いくら外国語が理解できても、日本語があやふやでは
どうしようもない。
これは格闘技の知識にも通じる話だ。
いくら、格闘技の知識を知っていても、
日本語があやふやじゃ、通訳でもなんでもない。
技術論なんて、
最終的には手本を見せてもらえば良いだけのこと。
なんたって、格闘技は最高のボディランゲージだから。
で、最終的に通訳の人が訳してくれた言葉を
いかに原稿に活かすか。
それができなければ、どれだけお膳立てが揃っていても
何も意味がない。
満点とは言わない、平均点以上の仕事を――。
一つのレポートで関わる人の数が多いほど、
その気持ちは強くなる。
けど、レポートの良し悪しの判断、
その裁量権は自分たちにはない。
それは読者の方、一人ひとりにある。
<決して、取材対象でない>
だから、少しでも多くの人に読んでもらいたい――
というのが、編集長の考えで。
個人的には、
ほんと恥をさらしているようなものなので、
世の中に出て欲しくない――なんて、思っている
ライターって、多いと思う。
というわけで、群馬県邑楽郡大泉町の
日系ブラジリアンタウンのレポートを、
8月23日売りのFnLで書きました。
よろしくお願いします。
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