Fight&Life vol.03より最新号vol.17まで15回に渡り連載された、フリーライター柳澤健氏執筆の「日本レスリングの物語」がこの度、財団法人ミズノスポーツ振興会様制定「2009年度ミズノスポーツライター賞優秀賞」を受賞しました! 受賞内容は以下のとおりです。この機会にぜひとも本誌バックナンバーを買い揃え、じっくりとお読みください!
2009年度 ミズノ スポーツライター賞
制定目的:スポーツに関する優秀な作品とその著者(個人またはグループ)を顕彰してスポーツ文化の発展とスポーツ界の飛躍を期待するとともに、これからの若手スポーツライターの励みになる事を願い制定
選考対象:主として新聞・雑誌・単行本などを通じて書かれたスポーツ分野の報道・評論・ノンフィクション等で、当該年度に発表されたもの
選考委員:委員長 岡崎満義氏(元(株)文藝春秋取締役、「Number」初代編集長)
委 員 杉山茂氏(スポーツプロデューサー、元NHK報道センター長)
高橋三千綱氏(芥川賞作家)
ヨーコ ゼッターランド氏(スポーツキャスター)
水野正人氏((財)ミズノスポーツ振興会 会長)
受賞者及び選考理由
「日本レスリングの物語」(ファイト&ライフ連載)
(株式会社フィットネススポーツ)
柳澤 健(やなぎさわ たけし)
日本におけるレスリングの誕生から今日までの80年余りを綴った歴史書とも呼べるような連載であり、同時に多士済々な人物が生き生きと描かれた大河ロマンのような面白さも併せ持つ。歴史をたどることが可能になったのは、国立国会図書館の新聞資料室に「八田一朗コレクション」という99冊ものスクラップブックが残されているからだ。八田は、これが戦火で失われることを恐れて、在米の知人に預けていた。
この八田一朗こそ、この連載の主人公と呼べる存在だ。早稲田大学出身の柔道家であり、1932年ロサンゼルス五輪のレスリング代表選手でもあった。
連載終盤、八田に匹敵する先見性の持ち主として現日本レスリング協会会長の福田富昭が登場する。特筆すべきは女子レスリングの可能性にいち早く気づいて信念を持って取り組み、今日の隆盛にまで育てた功績である。
女子レスリングを筆頭に史上最多のメダルを獲得したアテネ五輪で、日本選手団全体の強化委員長を務めたのは福田だった。福田はトップアスリート専用のナショナルトレーニングセンターの設立を働きかけて完成後はセンター長となり、日本スポーツ界全体のリーダーとして「国策としてスポーツに取り組むべき」といくつもの事業に着手している。
八田一朗、福田富昭といった人物がレスリングから出た理由を、著者は競技のもつ国際性に求める。数々の困難と理不尽を逞しく生き抜いてきた日本レスリングはやがてまた天才を得、より興味深い物語が紡がれていくだろう、と著者はこの長編を結んだ。
数多くの関係者への取材を中心としたオーソドックスな手法を柱とし、生き生きとした人物を描きだしながら、わが国における一つのスポーツの誕生から歴史を綴るという大変意欲的で非常に読み応えがある作品である。
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【 2010年03月09日 21:19 】http://www.fnlweb.com/mtv33/mt-tb.cgi/4980