【Fight&Life vol.09】

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2006年、日本では初となるBJJ国際大会「アジア選手権」が行われた。2年ぶりとなる今年のアジア選手権にも、日本のトップ黒帯柔術家が大挙出場するが、そんな注目の選手たちを紹介していくこのコーナー。第6回は汚名挽回を胸に、強豪ひしめくアダルト黒帯ペナ級に出場するタクミ選手です!
取材・文・撮影_松浦俊秀
text&photo=Toshihide Matsuura
「テーマは汚名挽回と失地回復。
ある意味ではムンジアルのリベンジです」
――アジアチコにエントリーしているタクミ選手が、11月20日(現地時間)にアメリカ・カリフォルニア州リムーアで開催された『Palace Fighting Championship11』に参戦すると初めて聞いたときは驚きました。
タクミ 僕はやれるものは全部やりたいタイプなので(微笑)。アジア選手権の直前だったんですけど、問題ないと思ってオファーを受けました。
――PFCのオファーは、どれくらい前のオファーだったんですか?
タクミ 確か2~3カ月くらい前ですね。
――そのPFCではドミニク・ロビンソンと対戦し、結果は判定3-0で惜敗。映像を見た人によれば、本当に僅差だったそうですね。
タクミ 日本で見ていた(パラエストラ大阪の)生徒には「微妙だった」と慰めてもらいましたけど(苦笑)…、どうなんですかね。確かにジャッジの基準が日本とは違うな、とは思いましたけど。
――試合を見ていない人も多いと思いますので、ここで簡単に内容を振り返ってもらえますか。
タクミ 1Rは組みに行って一発、相手のいいヒザが入って押し込まれてしまいました。そこからの投げで、なし崩し的に下になってしまって、そのあと立って逆にテイクダウン、そしてパスしたところでラウンドが終了ですね。2Rはスタンドでバックを取ってスリーパーを狙ったんですけど、ディフェンスが固かったので、印象点を稼ごうと顔面にパンチを入れていきました。そのあとは金的をまともに食らって5分中断。再開後に、またバックを取ったので、2Rは絶対に取ったと思います。3Rはよく覚えてないんですけど、四つで膠着したとき相手が右のヒザをやたらと入れてきたんですよ。全然効かなかったんですけど、もしかしたらジャッジはその手数を取ったのかもしれませんね。
――確かにアウェイだと微妙な攻防は相手側につくことを覚悟しなければならないでしょうね。
タクミ だからテイクダウンの数よりも、膠着状態の効かないヒザの方が評価の対象になるということでしょう。PFCは1Rが3分なので、ストライカーの方が断然有利なルールだと思います。
――以前、KOTCで試合当日に試合時間が3Rから5Rになったこともありましたけど、今回も海外特有のアウェイの洗礼というのはありました?
タクミ 契約体重が155ポンドだったんですけど、相手は158でしたね(苦笑)。僕はムンジアルのこと(計量失格)もあったので、153で計量に臨んだんですよ。でも相手は158から1ポンドしか落としてこなかった。UFCも含め海外では1ポンドオーバーまでは許されるので、2ポンド落とせばOKなのに、それすらもやらずに勝手に水を飲み始めたんです。
――オーバーのまま?
タクミ はい。こっちサイドに「オーバーだけど試合はOKか?」という確認もないままに。それでもう腹が立って、もう「絶対にやったるわい」という気持ちになりましたね。ちょっと前に前田吉朗君がWECでハニ・ヤヒーラとやったときに、ヤヒーラが体重をオーバーしていたらしいんですよ。それを聞いたとき僕は「受けなければいいのに」と思ったんですけど、僕自身がその立場になったら腹が立って試合を受けてしまいました(苦笑)。聞いた話だと、同じ大会に出場したランバー(・ソムデートM16)の相手も、そうだったらしいですね。
――海外らしい話ですが、タクミ選手は今後もオファーがあれば海外で?
タクミ PFCは日本での知名度はないでしょうけど、UFCでもやっているレフェリーとか、KOTCでやっているリングアナウンサーとかも参加しているんですよ。演出や選手への待遇も凄くいいですし、ファンのノリも凄い。僕はそのノリが好きなので、今後も海外からオファーがあれば受けてしまうでしょうね(笑)。とりあえずPFCは3試合契約なので、あとの2試合は今回の判定基準を頭に入れながら、きっちり調整していきたいと思います。次の試合は、おそらく来年の5月くらいになるでしょう。

――分かりました。では、そろそろ本題に入りたいと思います。前述したように帰国してわすか1週間のタイミングで、アジアチコに出場することになりますね。
タクミ どうせなら両方やろうと思っているので、試合直後ですけどまったく問題ないです。
――総合の試合と重なりましたけど、他の出場選手のことはチェック済みなんでしょうか。
タクミ そうですね。まず目がいったのは小野瀬(龍也)君です。東京にいるとき昼柔術で練習したこともあるんですけど、凄く強い選手ですから。その他にも石川祐樹選手ら、そうそうたるメンバーが集まっているという印象ですね。
――そんななかタクミ選手の自信の程は?
タクミ 茶帯までレーヴィ級でやっていたので、体の部分では負けないかなと思っています。スタミナ、パワー、フィジカルではヒケを取らないかなと。もちろん柔術では技術が一番大事なのかもしれないですけど…(苦笑)。
――今回、マークする選手というと誰になりますか。
タクミ やっぱり小野瀬君ですね。僕の勝手な予想ですけど、小野瀬君と当たるなら決勝だと思っています。スパイダーガードがうまいですし、出てくるとしたら小野瀬君かなと。
――先ほどタクミ選手の口からも出たように、ムンジアルは計量失格という形で涙を呑みました(詳しくは『Fight&Life Web アマチュア大会応援キャンペーン第一弾』全日本アマチュア修斗/パラエストラ大阪の記事を参照)。大会は違いますが、柔術に対するケジメという気持ちもあったりします?
タクミ そうですね。ムンジアルでは本当に情けない思いをしましたから。だから、ある意味ではムンジアルのリベンジだと思っています。
――分かりました。では最後にアジアチコに懸ける思いを改めてお願いします。
タクミ 今は総合格闘技をやっているからこそ、柔術でもアドバンテージがある、または勝てるという時代ではありません。逆に柔術専門でやっている人からは「ナメているんじゃないか?」と思われていると思うんです。ましてやムンジアルで計量オーバーという形になっているので、「中途半端にやっているんじゃないか?」と思われているかもしれませんよね。だからこそ、その汚名挽回というか失地回復を、今回のアジア選手権でしたいと思っています。だから、みなさんには柔術もできるんだぞ、というところを見せたいですよね。
――期待しています。
タクミ ありがとうございます。アイツ、意外にギでもできるじゃん、というところを見てください(微笑)。
Nakayama Takumi
なかやま・たくみ
1973年11月11日、大阪府出身
身長173cm、体重70kg
2007世界選手権 アダルト茶帯レーヴィ級3位
パラエストラ大阪代表
パラエストラ大阪
大阪市天王寺区国分町18-21大室ハイツ201
TEL.06-4305-1741
E-mail:dojo@paraestraosaka.com
<大会情報>
「アジア選手権2008」
11月29日(土)-30日(日)東京武道館
出場選手募集!
「第1回全日本柔術No-Giオープントーナメント」
2008年12月23日(火/祝)
東京・中央区総合スポーツセンター
大会詳細はこちら
12月下旬発売予定のFight&Life vol.10でもアジアチコ&柔術を大特集! お楽しみに!
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