【誌面&Web連動企画】高阪剛インタビュー 続編:その一: 北米を知る/高島学


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Fight&Life Magazine連動企画「どうすれば日本の総合格闘家は北米で勝てるのか?」
本誌ではすでに第四弾=違いを知る:磯野元編がスタートしているが、
ここでは第三弾 高阪剛インタビュー 続編:その一: 北米を知る
を引き続き、お届けします。
現役ファイターとして、セコンドとして北米の過去・現在を知る氏は
北米の自由、不自由。そして、自分の世界観を作ることの大切さを説く。



『いつも口に入れられるものを携帯していた』


――UFCもズッファ体制となり、システマチックとなり、機能的になったということですが、その分、戦いに集中できるようになったということでしょうか。


「ただ、時間を持て余して手持無沙汰になったということもあります。
時間の使い方に問題が出てきてしまったんです。
だから自分の場合は、ホテルの部屋にじっとしているのではなく、散歩に出たり、買い物をしたり、外にいくようになりました。
淀む時間をなくすというのですか?
部屋にいると、試合のことばかり考えてしまいますからね。
テレビを見ても、何のこっちゃ分からないですし。
もともと、外に出るのが好きだという性格もあるんですが、そんな風な時間を過ごすのであれば、外に出ようという感じでしたね」

 

――ズッファになってから都市圏での開催が増えましたが、それでもコネチカット州カンカスビルのようなネイティブ・アメリカン地区のカジノでの大会もあります。そのなかでも断トツで大会開催数が多いのがラスベガスですが、一大歓楽街ということもあり、反対に過ごしにくいというのはないでしょうか。


「便利ではありますけど、人だらけだし、外に出たくないという気持ちになるのはありますね」

 

――ラスベガスにおける便利さとは、どこでしょうか。


「食べモノで、まず米がしっかり食べられることですね。
いくらでも、中華料理がありますからね」

 

――確かに。向こうの食事が問題ないという人でも、試合前にあれだけオイリッシュなものは食べられないですよね。


「食事に関して言うと、日本で戦うのと向こうで戦うのでは明らかに違います。
自分が心がけていたのは、おにぎりや、それも無理ならパンでもいいので、いつでも口に入れられるものを携帯していたんです。
そうすると、保険がきくのでストレスがなくなるんですよ。
あとは、やはり中華料理屋さんを探していましたね。
まず、外れがない。
それもレストランよりも、パンダ・エキスプレスとかファーストフードのほうが、何が食材で使われているのか、確認できていいんですよね。
あと、生野菜でない野菜が食べられるじゃないですか。
サラダっていっても、大概、何か肉系のものがのっていますからね。
とにかく、自分のリズムが取れるよう開拓していくことが大切です。
日本食が食べたいといっても、無理なんだから。
ジャパニーズ・レストランで、日本食が食べられることも滅多にないので。
期待値が高い分、がっかりするので、中華の方がおススメですね(笑)。
予め、期待値を一段階下げておくことも大切です。
中華がない場合、ここのサンドウィッチにしておこうなど、さらに保険をかけておくんです」

 

――選手としてでなく、セコンドとして渡米したときに、その辺りの心がけはどのように生きてきましたか。


「自分が良かったと思っていることは、できるだけ伝えてきましたね。
とにかく、ここでも時間のことが中心になりました。
スケジュール表に、正午にホテルを出ると記されていると、やっぱり日本の選手はその前にロビーに集まります。
で、時間を守っているのは日本人チームだけっていうことが多いですからね(笑)。
そうしたら、何か損をしたような気分になってしまうんですよ。
でも、僕は経験上、ロビーで待つ時間が長くなるから、正午にホテルの部屋を出るぐらいで良いと思うと言ってあげることができます。
それでも不安なら、俺が聞いておくからって。
この一言があると、選手も気持ち的にかなり違うと思います」

 

――少しの我慢も積もり積もれば、大きなストレスになっていきますよね。


「そう、だから我慢をしないこと。
これが重要です。
逆にいうと、周囲の外国人選手で我慢をしている者は一人としていないですから。
今からバスに乗るって言っているそばから、腹が減ったといっていなくなる連中とかばかりなんで。
大切な忘れ物をした――なんて言っているから、みんなで待っていると、『俺、これがないとダメなんだ』なんて言って、なんか変なタオルを持ってきたりとか。
本当に自己中心的ですから。
しまいには、自分の枕やないとダメとかいう輩も本当にいるんですよ。
そんな連中のなかにいるんですから、我慢するのでなく、
逆に我儘を通してやる――ぐらいの気持ちでもエェと思います」

 

――これまでセコンドで北米を訪れたのは、どの大会になりますか。


「MFCと、ボードッグ、それとUFCですね。
どこもUFCがひな形になっていると思います。
MFCもボードッグも、UFCっぽく頑張ろうとしているのが分かりました。
ただ、ボードッグのコスタリカはシャレにならないですね(笑)。
ホテルの部屋からリングまで5分ぐらいですから、それほどストレスはなかったんですけど、特殊な大会でした。
ただ、ずっと同じ場所にいるのは、選手も辛いですよね。
そんな選手に気を使ってか、ホテルでの飲食は全てプロモーション持ちなんですよ」

 

――そんな風に言われても、試合前の選手は飲めないですからね。


「そう、あれは見ていて可哀そうでした。
逆に生殺し状態で(苦笑)。
そもそもリゾート地って、楽しむところ、休みにいくところですから、ファイトの真逆ですからね。


(この項目、続く)

 

 

 

【 2008年08月28日 18:03 】

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