【誌面&Web連動企画】吉鷹弘インタビュー その二:北米に打撃で勝つには?/高島学




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Fight&Life vol.07



6月20日(金)発売 !!




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本誌ではすでに第三段=環境に勝つ:高阪剛編がスタートしているが、

ここでは第二弾 吉鷹弘インタビュー その二:北米に打撃で勝つには?

を引き続き、お届けします。

「ディフェンスとカウンター」の重要性を説く氏に、

練習段階からのディフェンス技術の向上、

さらに宇野薫の打撃、

吉鷹門下生、中蔵隆志の試合を語ってもらった。






『中蔵の試合がジャッジから評価されて、良かったです』

 


――それは、やはり組み技主体の格闘家には、組みを重視した構えがあるということですか。


吉鷹 そうですね。まず本人が持っている基本の姿勢からディフェンスできるように話をして、そこから他のディフェンスで使えそうなものを指導していくような感じですね。
例えば、総合はグローブが小さいのでブロッキングってなかなか難しいんです。
ただ、だからといってブロッキングを無視していいのかというと、そうじゃない。
最初にブロッキングを大きなグローブで教える必要があるんです。
顔の前に壁を作って、パンチをもらわないようにしてから、パンチをよける間合いやヘッドスリップで空振りさせる技術に進むことができると思うんです。
だから、どんな選手にも絶対にブロッキングをやらせるようにしているんです。
みんな、『こんな小さいグローブでブロッキングなんてできないです』って最初は言ってくるんですけど、でも『階段を上っていくには、ここからやるしかないでぇ』って。
ブロックをすれば、パンチが見えるようになるんです。
上腕二頭筋が発達していて腕が太い子、それと頭が小さい子はブロッキングするだけでパンチがすり抜けるんですよ。
ランペイジ・ジャクソンは、総合でブロッキングを使える典型的な例ですね。
前腕とヒジ、グローブでなくて前腕とヒジでブロックができるんです。
ただし、脇があく。
組みつかれて倒されるのが怖い子もいるので、ヘッドスリップの練習をさせるんです。
結果的には総合のグローブに応じたディフェンスになっていくんですが、個々の個性を生かす前段階で大きなグローブを使ったブロッキングが必要になります。

 

――いずれ小さなグローブになることを頭に入れるようになどと指導をするのですか。


吉鷹 何も言わないです。
僕のところに来る前に、いろいろな所でやってきた子が多いので。
だから、何もいわずにブロッキングをしてもらって、ある程度できる子から修正をしていくんです

 

――例えば、総合のグラップリングの練習でも、上級者はオープンフィンガー・グローブをはめて、より実戦に近い形でスパーリングをしても良いと思うのですが、基礎を学ぶ段階では素手で制約のないなかで覚えさせるのと同じですよね。


吉鷹 その通りだと思います。
道衣を着て、基本を学ぶ必要があると思いますし。
最初から全部、最終形に近い形でやらせると、身に着くものも身につかなくなりますからね。そこは難しいですね。

 

――最近、総合の試合を見る場合、吉鷹さんに教えていただいたことを気にしながら距離間や出入りを見るようにしています。そんななかで、吉鷹門下ではないのですが、宇野薫選手なんて吉鷹さんの言われていることに通じる動きをしているように感じました。


吉鷹 石田選手との試合では、あの前後の出入り、ステップの違いは大きかったですね。
まともにやりあえば筋肉量の差もあるし、力は石田君の方があったと思うんです。
それがあの前後の出入りで、宇野君のリーチが活きました。
前後の出入りがあると、パンチの出どころが見えないし、宇野君の上手いところは相手の威力を緩和させることができている点ですね。
左スト―トをもらっても、ヒジでブロックしていますしね。
ブロッキングもステップバックもしている。
右利きのサウスポー同士の試合で、右を当てるためには左のフェイントが必要になる。
そこで宇野君は左手、拳を握っていなかったんですね。
左ストレートから右フック、ここで左をほとんど握っていない。
カラテの抜き手のようになっていて。
ここから右につなぐと、早く右が打てるんです。
力が入っていないんですね。
いろんなことやっていますよ。

 

――その宇野選手が、5月のプロ修斗で中蔵選手の間合いに感心していました。吉鷹塾門下のなかで、総合の打撃を最も実戦できているのが中蔵選手なのですか。


吉鷹 手を絶対に上げないんですね。
あと、天突選手がこれまでにも胴タックルはあっても、足にはタックルを仕掛けることがない選手だったんですね。
だから、絶対に脇だけは空けさせないようにしていました。
あと、ジャブが少ない選手なので、そういう癖を頭に入れて戦っていました。

 

――素晴らしい見切りだったと思うのですが、だからこそ組まれたときの対応が見てみたいというのがありました。


吉鷹 実際、組まれるのは怖かったですね。
ただ、ジャブで出てくるところを抑えていたので、組もうとする気持ちも消していくことができたのではないでしょうか。

 

――なるほど。中蔵選手の試合で、一つ、怖いのが、豪快なパンチでわく観客。その声にジャッジの判断が左右されることはないのかと。アグレッシブ性でいえば、常に前に出てきた天突選手にポイントを入れるジャッジはいるかもしれないと。


吉鷹 それはセコンドに就いていた僕が一番感じていたことだと思いますよ(笑)。
見た目は右をもらいながら下がっていたので、それはもう……。
ラスベガスなら、モハメッド・アリの影響でジャブでポイント・アウトという傾向があるのですが、日本にはそれはないので――。
でも、まぁしっかり見てもらえていて良かったです。

 

――そこだと思うんです。相手の攻撃を遮断して、コツコツとダメージを与えているファイターが判定勝ちできると、これは「行ってこい」のKO負け覚悟の打ち合いが減ってくるのではないかと。


吉鷹 あの試合が、そういう風に評価されたことで、そういう風潮になっていけばいいですね。
中蔵はあの試合で、アウトボックスに徹しきる、カウンターに掛けるのでなく、ジャブを使っていました。
天突選手は前足に体重がかかるので、そこにローキックも入れていました。
ジャブ+ローを繰り返し、リズムを掴んで右フック、右ストレート、もしくは左ストレートとうのが作戦でしたが、ジャブ+ローのあとはあまり距離があっていなかった。
ぜんぜん、作戦にない一本背負いもありましたけど(笑)。
あれは、ジャブで相手を封じ込めている余裕から出た投げだと思います。

 

 

以下、最終回へ続く。

 

 

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<動画>テクニック講座 (GBR
)

【 2008年06月25日 12:04 】

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