【誌面&Web連動企画】吉鷹弘インタビュー その一:北米に打撃で勝つには?/高島学




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Fight&Life vol.07

6月20日(金)発売 !!






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柔道、極真空手、古武道まで格闘技の技術を知りつくし、
現役時代にはシュートボクシングを代表し、国内外の強豪と戦い続けてきた吉鷹弘氏。
引退後も、数多くの立ち技、総合格闘家が、吉鷹理論を心酔し、
金・土の夜に行われる練習会には、地元開催のみならず、中国・四国、東海地方、首都圏からも選手が集まってくる。
そして、氏は世界で勝つために「ディフェンスとカウンター」の重要性を説く。


 

『攻撃45、防御55ぐらいの気持ちで』





――世界に勝つにはディフェンス重視、そしてカウンターで勝つという理論。この勝ち方を実践していくには、日本の格闘技界の興行重視、ディフェンスより打ち合えというあり方が障害になるのではないですか。


吉鷹 そうですね。
僕の現役の頃から、そうでしたね。
僕もブロッキングから、ディフェンスから組み立てる選手だったんです。
対戦相手も、モハメッド・オワリ、マンソン・ギブソンとか体力のある外国人選手が多かったですからね。ディフェンスをしっかりしていないと。
マンソンとやったときなんて75kg契約で、前日計量で72kgだったんですよ。
当日にマンソンは80kgぐらいになっているし、サウスポーのサイドキックの構えで両腕のガードも高い。
バックスピンでもバックハンドブローでも彼の攻撃は僕の右側面に来るんですね。
で、そこを防げば絶対に負けないと思ったんです。
だから、延長とかになっても長い時間戦えて、倒されることはないんですよ。
勇敢に戦うという表現が適切かどうか分かりませんが、真正面から行きますと倒されますから。
でも、そうやって倒されてしまったほうが、雑誌とかでも評価が高くなるんですよ。

 

――負けっぷりなどという言葉が、専門誌に氾濫していた時代もありました。選手側も打ち合って負けても――ということを口にすることがありますし。


吉鷹 グローブが小さいですし、テイクダウンとか投げがあって、攻めがハッキリしないところが総合にはありますよね。
だから、一見アグレッシブに見える『行ってまえ』的な動きが分かりやすいんでしょう。でも、そんなことしていたら、絶対に勝てないですよ。
勝てるものも勝てなくなります。
だから、世界に勝つにはディフェンスということで、外薗や中蔵とはそこから取り組んでいったんです。
ただ、みんながみんな結果を残したわけではないので、何とも言えないんですが。

 

――勝つためには技量を上げるにしても、すぐに世界というような相手と戦えるわけじゃないじゃないですか。ただし、キャリアを重ねていくうちに大きなケガをしてしまっては、そのスタートラインにすら立つことができなくなる。


吉鷹 その通りだと思います。
ディフェンスを磨けば、攻撃を受けなくなるので、ダメージの蓄積も少なくなる。
すると、現役生活が長くなるじゃないですか。
すると、初めて経験という年齢を経てしか身につけることができない武器を手にできるんです。
経験が活きてくる前に、打ち合いばかりつづけていれば引退しないといけなくなります。
今、30歳を過ぎて残っている子は大きなケガはしていないと思います。
やはり体力のある外国人と戦っていくには、攻撃45、防御55ぐらいの気持ちでいないとやられると思います。

 

――吉鷹さんは、日本人と戦う時も外国人と戦うときも同じ割合だったのですか?


吉鷹 日本人の時は違いました。
日本人が相手なら、打ち合いになって、打たれても絶対に負けることはないと思っていました。
日本人と戦う時なら攻撃70、あるいは80ぐらいの気持ちでいけましたね。
日本人対決ならKOされるという気持ちも起こらなかったです。
魔裟斗も打たれ強いのもあるでしょうが、ステップバックしてヘッドスリップしパンチをよけていますよね。それが長い相手、世界のトップに君臨できている理由やと思います。
ディフェンスができているから、攻めることができて、観客を沸かせることができるんです。
止まっていないですから、打ったあとはすぐに相手のパンチが届く位置から離れていますから。
で、それを見て逃げているとは誰もいえないでしょう。
世界と戦うには、攻防を磨く必要がある。
だから、攻撃だけでなく防御の質を高めないといけないんです。
総合格闘技は、ボクシングや打撃系よりも世界が近い。
ビッグショーが日本でこれだけ行われているんですが、
しっかりディフェンスの大切さを理解してもらって、世界に勝ってほしいですね。
その基盤があるので。

 

――総合の選手って、組み技がトップで総合の世界でもトップ近くにいる。でも、打撃だけ見ると、まだまだという選手がいると思うのです。組み技の能力で、勝ってきたという。


吉鷹 総合のグローブは威力が違うので、組み技が強かろうが、打撃が強かろうが、打ち合ってはいけないです。
あの小さいグローブが木刀とすれば、僕らが使っていたグローブは若干ですが、あきらかに威力が少ないものでしたからね。
木刀と戦うということは、一発当たると終わることもあるということなんで、ディフェンスをおろそかには絶対にしてはいけないと思うんです。
目に一発当たるだけで、毛細血管が切れて充血してしまいますからね。
顔が腫れるのも、早いですし。
だから、絶対にディフェンスは大切ですし、打ったあと、もらわない位置取りをすることが大切なんです。

 

――総合の練習で、ボクシンググローブをつけてディフェンスの練習をし、本番でオープンフィンガーになると、全く感覚が違うということにはならないでしょうか。


吉鷹 スパーリングは大きなグローブでやらせますね。
危険ですから。
タイ人だって、あれだけ脛が固いのに、練習では脛パットをしていますからね。
まずは安全を考えないといけないですよ。
あんな小さなグローブで練習すると、すぐに怪我をして練習できなくなってしまいます。
できるだけ大きなグローブをつけてほしいですね。
構えはまず、最初に何をやっていたか――という部分で、最初は好きにやらせているんですよ。
組みを主体にやっている子にアップライトにしろって言ってもしょうがないし。
キック、カラテ、バックグランドによって構えは違いますからね。



 

以下、続く。




 

 

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【 2008年06月16日 17:24 】

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