Fight&Life vol.06
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中量級準決勝。正道会館・菱川(左)と極真館・秋葉(右)の対戦。
注目のユース世代の他にも見所の多い「K-2 GRAND PRIX」となる。
5月3日(土・祝)、東京武道館では新空手の全日本大会「K-2 GRAND PRIX」が開かれていた。この日一番の話題は何と言っても、あのK-1が新空手と協力して10代の選手を選抜し、高校生限定のトーナメントを開催する「K-1甲子園」プランの発表にあった。同日、谷川K-1イベントプロデューサーが会場内で会見を開いている。
【K-1】K-1甲子園をいよいよ全国区で開催!高校生の出場者を募集
期待されたユース世代、中でも最も注目を集めた軽量級の嶋田翔太は見事優勝を遂げ、「K-1 WORLD YOUTH 2008 日本VSオランダ」の鮮烈デビューに引き続いての活躍で、あらためてK-1ユースの“顔”となる。
【新空手】K-1 WORLD YOUTHで活躍の16歳・嶋田翔太が初の全日本制覇!
その一方、優勝には手が届かず、ユース世代でもない、だからことさらに喝采されるわけでもないが、印象的な一群を見た。
上段突きを解禁する独自の“真剣勝負ルール”が話題の極真館の選手達だ。
彼らはどんな風に闘ったのだろう?
取材・撮影/斉藤雅幸(Fight&Life)
極真館はフルコンタクト空手の一ブランドなわけだが、
K-2で見られた彼らの動きは、ステレオタイプなイメージとはほど遠いものだった。
ローキック一筋ではない。
前に出るばかりではない。
ボディーを連打しない。
“真剣勝負ルール”を手にした空手家は変化していた。フルコンらしいとされる動きがあまり見られない。
極真館さいたま中央支部から参戦した3選手の内、最も好成績の準優勝に輝いた秋葉選手(中量級)を中心に、その戦いぶりを振り返ってみよう。
<中量級>
準々決勝 秋葉大輔(極真館さいたま中央支部)vs齋藤健一(龍道場)
前に出たのはテコンドー
準々決勝の秋葉、テコンドー齋藤の猛攻に意外にあっさりと下がった。俗に言う〇〇魂という感じはしない。もっとテクニカルな部分を追求して来ているので、それをきっちり再現したいのだという慎重さがうかがえる。全般にとても丁寧な印象。
しかし圧されてばかりもいられない。事実、秋葉は速やかに主導権を取り戻した。
――バックハンドブローによって・・・。
通常のフルコンの試合ではまずお目にかからない技。
手による頭部への攻撃が突破口を開いた。
途切れない蹴り技とパンチで場外に追いやるのはテコンドーの齋藤選手の方だ。
バックハンドブローがヒット。その直後の打ち合いで齋藤選手がくたっと崩れて、技あり。
<中量級>
準決勝 菱川晋作(正道会館)vs秋葉大輔(極真館さいたま中央支部)
空手ブランドの対戦!
とにかく熱気がすさまじい。
体感的には、最も会場が沸いたのはこの試合ではなかったかと思う。
正道会館と極真館、双方の「負けられない」という気迫がぶつかる。
結果は秋葉の判定勝ち。
その要因はミドルキックにあったと言えそうだ。
二人にはリーチ差があった。
リーチに優る秋葉が遠くからミドルキックを放つと、
菱川はどうしても毎回後手を踏むような感じになる。
いったん蹴りを受け止めてから反撃、という形を抜け出せない。
菱川は秋葉を場外に押し出す猛烈な反撃を何度も見せた。
その圧力は痛快だが、トータルの印象となるとどうだろうか。
新空手では腰上の(つまりローキック以外の)蹴り技が重視される。
“腰上8本”をルールで定めているくらいだ。
秋葉は、その評価の高い腰上の蹴りを相当数出した。
しかも、先手をとってクリーンヒットさせている。
ルールと相性が良いのは明らかだった。
それに比べると菱川は、押し込むという空手的価値観がやや色濃いか。
もっとも、“顔面”への対処という点では、特に差は見受けられない。
念のため付け加えると、ローを蹴り合おうという姿勢はお互い皆無だった。
遠距離からのミドルで必ず先手を取る秋葉選手。
ここでも見せたバックハンドブロー。
いずれも決定打とはならず。
<中量級>
決勝 小室武稔(龍道場)vs秋葉大輔(極真館さいたま中央支部)
ミドル重視はルールだからか?
決勝戦はアクシデントに近い結末だった。
膝と膝がぶつかり秋葉が負傷。立ち上がれない。
それまでは互角の攻防に見えた。
秋葉のミドルもよく入っていた・・・。
しかし、対戦相手からは少々意外な感想を聞いた。
「新空手には腰上8本のルールがあります。その分ローキックを蹴ってこなかったので楽に試合ができました」―中量級優勝・小室武稔選手(龍道場)
てっきり、秋葉のミドルは相手を苦しめているとばかり思っていた(実際、そういうケースもあっただろう)。だが、決勝で戦った選手はたとえミドルを蹴られても、「ローを蹴られるよりもまし」という心境だったのだ!
そう言われてみると極真館の選手は他の選手に比べ、あまりローを蹴らなかった。
新空手が腰上の蹴りを重視するとは言っても、ローキックは蹴っても良いし、実際ローキック中心の攻めで優勝した軽中量級の富田隼児選手(作真会館)の例もある。
このローを蹴らないという傾向が、K-2対策のための一過性のものなのか、個人的なスタイルによるものなのか、それとも“真剣勝負ルール”がもたらすものなのか、興味深いところではないだろうか。
【極真館】“上段突き”ありの真剣勝負ルール再び!6・15代々木へ向けて予選
それにしても上手く入る。だが対戦相手からしてみると・・・。
膝の負傷で試合終了。
秋葉選手をはじめ、極真館さいたま中央支部の選手達に話を聞く。
――今回のK-2参戦は、“真剣勝負ルール”と関係がありますか?
秋葉 はい。全日本ウエイト制が顔面ありのルールに変わり、これまでとは全然違う戦いになりました。顔面ありのスタイルを勉強するためにK-2に出場しました。
――決勝は残念でしたね?
秋葉 ローで膝と膝が当たって、ちょうどツボに入ってしまい立てませんでした。残念ですが、そういうことがあるのが格闘技なので、これは仕方ないです。
――K-2の試合を終えてどんな感想をお持ちですか?
秋葉 1年半ほど前から準備してきて、今日、こうした大会でも勝つことができました。顔面ありで“戦えた”と思います。
「顔面は、出来た」
<軽中量級>
田中晶典選手(準決勝、判定で敗れる)
「優勝した富田選手に判定で敗れてしましましたが、顔面は出来たと思います。顔面への攻撃は良かったので、防御をもっと磨いていきたい。それから、顔面を意識すると手数が足りなくなるので、手数を出すことが課題になると思いました。これからもっと新しい技術を身につけていきたいです」(田中)
ローキックで崩す田中選手。空手らしいスタイルか。
<重量級>
菊地先選手(準決勝、技あり2つを奪われ敗退)
「(不戦勝のため)準決勝が今日の1試合目でした。稽古の動きが出来ていませんでした。ウエイト制で結果を出したいと思います」(菊地)
最初に技ありを奪ったのは菊地選手(赤)。しかし技ありを奪い返される。
さらに、2度目の技ありを奪われて決勝進出を断念。
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